前回の「新卒編」に続き、今回は「インターネット時代到来編」と題し、インターネット革命がもたらしたテクノロジーの進化と、不確実性に満ちた時代においてどのように適応し、キャリアチェンジを行ったかを振り返ります。
現代のデジタル化やビジネスモデルの変革に直面している方々にとっても、参考になる内容です。今後AIがもたらす影響は計り知れず、私たちの生活や仕事の仕方を根本から変えるものです。インターネット時代到時代を振り返ることにより、これからのAI時代に必要な共通のマインドセットではないかと考えられます。
新入社員時代の「当たり前」
1996年、私は国際電話会社に就職し、キャリアをスタートさせました。当時、ビジネスの中心は音声通話でした。電話や専用線による通信が当たり前で、将来的にIT業界の劇的な変革やインターネットの普及が起こるとは、入社直後の私は全く予想していませんでした。
インターネットの普及以前は、情報へのアクセスは制限されており、日々触れる機会は現在よりも非常に少ない時代でした。しかし、時代の流れは変わりつつあり、その変化に気づくことができなかったのです。
新入社員時代の「学び直し」(一部マニアックな情報)
入社してすぐに直面したのは、Windows 95によるインターネットの本格的な到来です。学生時代にはSony News workstation上でのFortranを用いたプログラミングやMS-DOS上のMIFSテキストエディタ環境での作業に慣れ親しんでいましたが、インターネットとWindowsの普及は私にとって未知の世界でした。
この急速なテクノロジーの進化に対し、焦りを感じると同時に、この進化への対応がその後のキャリアにおいて重要な役割を果たしました。
インターネットは、情報の収集や業務の効率化を可能にし、私たちの仕事のスタイルを一変させました。新たな仕事に必要な環境に慣れる必要があり、私は新入社員として積極的に自分のスキルを磨かざるを得ない状況でした。
音声通話ビジネスの終焉とデジタル革命
1997年から1999年にかけて、インターネットの急速な普及が進み、電話業界は大きく変わりました。価格競争が激化し、国際音声サービスではビジネスが成り立たなくなりました。この変化は、デジタル革命の一環として業界が劇的に変革していく様子を目の当たりにさせました。
多くの企業がデジタル技術に移行し始め、音声通話からデータ通信へのシフトが加速しました。この変化を受けて、私自身も新たなビジネスモデルや技術に関心を持つようになり、積極的に業界のトレンドを追い続けるようになりました。
不確実性への対応と転職の決断
入社後3年が経過すると、社内環境も変化し、転職を決断する先輩社員が増えていきました。金融ビッグバンによる市場開放やグローバル化の波が押し寄せる中、ある日、キャリアチェンジを促すメールが届きました。
私は転職を決意し、外資系半導体メーカーの新規事業部からのオファーを受け入れ、新たな分野への挑戦と英語を使う環境でのキャリアチェンジを実現しました。
この決断は、私にとって大きな冒険であり、自分自身を試す機会でもありました。新しい環境での仕事は、自分の成長を促し、未知の世界に飛び込むことへの不安と期待が交錯するものでした。
直感に従った最後の決断
転職に際し、新しい分野への不安や夜勤シフト勤務の厳しさを考慮しましたが、最終的には直感に従い、新たな環境でキャリアを再スタートしました。この決断は、デジタル時代の不確実性の中で自分自身の可能性を広げる重要なターニングポイントとなりました。
新しい職場では、多様な人々と出会い、様々な価値観に触れることで、自分の視野が広がりました。これらの経験は、今後のキャリアにおいても大いに役立つものでした。変化を受け入れ、柔軟に対応することで、さらなる成長が可能であることを実感しました。
次回予告: ITバブル崩壊後の不確実性、その時どう考えたか?
次回は、ITバブル崩壊後の不確実性の中での考え方や行動を振り返ります。デジタル時代において、未来の不確実性にどのように対応するかをさらに深掘りしていきたいと思います。これからも、変化を恐れずに前進し続けることの重要性についてお話ししたいと考えています。