ミッドライフクライシス(中年の危機)とは?
40代から50代にかけて、多くの人が経験する「ミッドライフクライシス」。この時期は、人生の折り返し地点に立ち、自分のこれまでのキャリアや人生の意味について改めて問い直す機会です。私もその例外ではありませんでした。
管理職として、そして一社員として積み上げてきたキャリアに「やり切った感」を覚えた頃、私の心には変化が訪れたのです。それは50代に向けての将来の不安と、現職に対する意欲の低下でした。
40代・50代に訪れるミッドライフクライシス。人生の中盤にそのミッドライフクライシスを乗り越え、人生100年時代に備えるためのキャリア棚卸しと転職の実体験を紹介します。
42歳で迎えたミッドライフクライシスとそのキャリア棚卸し
私がミッドライフクライシスを最も感じたのは、42歳の頃でした。最初のITシステム構築運用業界への転職から12年が経ち、夜勤を乗り越えながら社員の大部分をまとめる役職に就き、大規模障害もほとんど発生しなくなった安定した日々が続いていました。
しかし、ふと「もうこの会社で学ぶことはないのではないか?」と感じ始めた瞬間、やり切った感が押し寄せ、同時にこれからどう生きるべきかを真剣に考えるようになりました。
当時、フリーランスとして成功している先輩の話を聞きつつも、私はサラリーマンとしての自分に深く根付いたアイデンティティを再認識しました。まさに「灰色の世界」に突入し、キャリアの棚卸しを迫られる時期だったのです。
不確実な時代でのキャリア選択:人生の転機となる転職の決断、週4勤務の時短正社員へ
そんな中、未経験の業界から外資系企業への転職の話が舞い込みました。この時、私は「環境を変えなければ、自分を奮い立たせることができない」と強く感じ、転職を決意しました。今後のキャリアに何か繋がると信じて、あえてリスクを取った選択でした。
結果的に、2度目の転職を経て、最初の数年は未経験の業界であるため慣れるまで数年間は不安な時期でしたが、振り返ると、この決断が私のキャリアと人生において大きな転機となったのは間違いありません。
その後、80%の時間を会社員、20%を複業に充てる週4日勤務という新しい働き方にシフトし、自分の心と生活のバランスを保つことができました。
不確実性の中でのキャリアと人生:60代への準備、そしてその先の100年時代に備えて
私たちは常に不確実な世界に生きています。インターネットの普及により仕事のスピードは加速し、今ではAIによる第4次産業革命が進行中です。これらの変化に直面し、私は自分の60代以降の働き方をどう準備すべきかを改めて考えるようになりました。
「自分が提供できる価値は何か?自分がワクワクできるのは何か?」。この問いをIKIGAI(生きがい)フレームワークに当てはめて自己分析を行い、これからのキャリアにおいてどのように社会に貢献できるかを模索しています。
世代を超えて学ぶ姿勢と次世代へのメッセージ
これからは世代を超えて多くの人から学び、他人の意見やフィードバックを柔軟に受け入れることが重要だと感じています。また、自己の思考のクセに批判的に向き合い、次世代に合った新しい教育やアプローチを模索していく必要があると強く思っています。
自分が経験してきた教育方法をそのまま次世代に適用することをやめ、より柔軟な方法を探求することが求められているのです。
最後に:これから迎える未来に向けて
振り返ると、ミッドライフクライシスを経験し、その乗り越え方を学んだことで、自分自身のキャリアと人生の方向性が見えてきました。
この経験から得た学びを次世代にも伝え、より多くの人々が自分らしく輝ける新しい仕事のあり方への手助けをしていきたいと思っています。